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ねこびたい

☆ご報告☆ 短編戯曲祭 <花鳥風月> 春 閉幕

T Crossroad 短編戯曲祭 <花鳥風月> 春 ぶじ終演いたしました。

劇場に足を運んでくださった皆さま、全作品を演出された川村毅さん、『ある愛の夢』に出演してくださった石村みかさん、佐藤 満さん、ほか俳優の皆さん、スタッフの皆さん、ブラッシュアップミーティングのゲスト松井憲太郎さん、ほんとうにありがとうございました。


ブラッシュアップミーティングで川村さんが「これは私戯曲なんです!」と仰ったときは、思いがけず動揺してしまいました。

『ある愛の夢』は自身の体験を描いた物語だと話してきたので、隠すつもりはないのですが、「私戯曲」という言葉を聞いて、あらためて、それを書くことの責任のようなものを感じました。


『ある愛の夢』は、もうすぐ別れようとしている夫婦の物語です。

アルコール依存症と肝硬変を患い自暴自棄になっている夫、その夫に翻弄され続ける妻の姿を描いているのですが、その病気の恐ろしさを啓蒙する気持ちはあまりなく、自分がどんなに辛い体験をしたかを訴えたいわけでもありません。この戯曲を書く目的に向かうための道すじとして、そういった場面を描いていますが、ほんとうに伝えたいことはその先にあるものです。

それがなにかと問われると、残念ながらまだ明確に説明することができません。説明できないものを書いているのかと思うと、自分でもとても心許ない気持ちになるのですが、そのことを書きたい、どうしても書かなくてはならないという自分の思いの強さを信じて、書いています。 今回、スタートラフ部門に参加し、長編の一部上演ということで、お客さまがどんなふうに感じられるのか不安がありました。身近なところで、またブラッシュアップミーティングで「続きが気になる」「続きが観たい」という感想をいただき、まずは一息ついています。

こんなふうに書くことを後押ししてもらえるような、劇作家を中心に考えて企画された催しはなかなかありません。一人で書いていても決して得られない実り多い日々でした。 上演を観てなにかを受け取り、ふたたび執筆に向かうという、このありがたい環境を作ってくださったTCrossroadの取り組みに、それを支えてくださっている俳優、スタッフの方々の尽力に、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。


6月6日                 いしざわみな



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