小道具 菜の花
桜は終わってしまいましたが、花々の美しい季節ですね。
私の芝居には花もよく出てきます。これは姉:枇南子が亡くなった母親に話しかける場面で使いました。“母親が好きだったもの”という設定で色々考え、菜の花と決めました。容器は陶器の一輪挿しを考えていたのですが、落ち着いた雰囲気がしっくりこず、透明な硝子の儚い雰囲気が枇南子の心境に、ひいては作品全体にも合っていると感じ、最終的にこの組み合わせになりました。ところが、この菜の花に苦しめられました。まず、花屋で手に入ると考えていたら大間違い! 相当な数の生花店に尋ねたのですが、菜の花を扱うのは桃の節句までなのだそうです。そんなわけで、何度か近くの川の土手に摘みに行っていたのですが、足場が悪い場所に咲いていて、軽く捻挫(>_<)。さらに、菜の花は摘んでしまうと花持ちが悪く、最終日まで持つか、毎日ハラハラドキドキしていました。
花を使ったことでは、忘れられない苦い思い出があります。
大学を出た後の旗揚げ公演で、アゴラ劇場の高い天井から真紅のバラの花びらを降らせました。バラの花びらは思ったより重さがあって、降るというよりはパタンパタンと落ちる… という感じだったのですが、私はその効果が出来たことに満足していました。けれど一枚のアンケートに「なんであんな降らせ方したの? 全然美しくない。花を扱うものとして、とても哀しい気持ちになりました」と書かれていたのです。それは花の専門職に就いている友人の書いたものでした。もっと美しく降らせたかったのに、自分がイメージしていたものとは大きく違っていたのに、よくできたと満足していたことがほんとうに恥ずかしく、その後の大きな教訓になっています。
そんなわけで(どんなわけだ?^-^;)今後の公演に向けて、何の花がいいかな? どんな花瓶がいいかな? と一緒に考えたり、一緒に花を摘みに行ったりしてくれるようなスタッフを求めています。少しでも興味のある方、よろしくお願いします!