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意見を聞かせてもらいました!報告・前編


すっかりご報告が遅くなってしまいましたが、9月23日に開催しました「新作上演に向けて意見を聞かせてもらう会」は、無事に終了いたしました。

参加者は、読み手5名を含めて(男:5 女:8)13名でした。

初めての試みだったので適当な人数というものがわからず、参加者が少な過ぎるのではないかと心配で、直前までジタバタしてしまいましたが、それはまったくの杞憂でした。

もちろん、多ければまた良い点もあると思いますが、それぞれの参加者がディスカッションに加わり、一つの論点について多角的に検討するという意味においては、とても理想的な人数だったと感じています。

私の役者さんとの交友関係が乏しいことが原因なのですが、読み手が決まるまでには相当の苦労がありました。引き受けてくださった方の中で、お二人は役者ではない方でした。

当日打ち合わせをしただけで、一回の通し稽古もしていませんでしたが、緊張感のある、しっかりと戯曲の「言葉」が届くリーディングを見せてくださいました。

このリーディングを受けて、ディスカッションも充実したものになったのだと、読み手の皆さんにはとても感謝しています。

後日、主人公を担当してくださった清水幹王さんから、リーディングの間、客席にもほどよい集中と関心が満ちていたように感じました」というメッセージをいただきました。

幸運な相乗効果があったのだと思います。

ディスカッションに入る冒頭で、本作が日本劇作家協会の「月いちリーディング」に取り上げてもらった戯曲であることをお伝えし、その催しでは、まず良い点を褒めることから始めるのですが、今回は、より上演を念頭においての試みであるため、意識して褒める必要はないこと、厳しい意見も率直に発言して欲しいことをお願いしました。

ちなみに、2016年の「月いちリーディング」にも参加され、今回も参加してくださった方は、脚本家・演出家の鮒田直也さんと、月いちの常連であるYさんの2名でした。

ディスカッションの中で、三つの大きな気づきがありました。

まず一つ目は、時代の認識ということです。

2016年当時、風変わりな人であった主人公:鈴木一穂が、今はもうそれほど変わった人ではないと言われてしまったことは、少なからずショックでした。それはあくまで主人公の一つの特徴を指してのことなのですが、三年の間にその特徴を持つ人が増えているという事実を突きつけられ、全然風変わりとは感じなかったという意見もありました。

これらの指摘によって、戯曲の鮮度というものについて改めて考えさせられ、現代劇を書いていくうえで、鮮度の良いうちに発表するということも重要だと痛感しました。私にとってはなかなか困難なことではありますが…。

二つ目は、主人公の恋人であるヒロインに対する見方の賛否両論です。

これは女性陣から、全然好きになれない、嫌な女、アンモラルな人物であるという糾弾があり、正直なところかなり驚きました。というのも、「月いちリーディング」では、あまりそういう意見はなかったからです。役者さんから、自分が演じるとした場合、落としどころが見つからず苦しむという感想もありました。

このヒロインに限らず、女性の登場人物には自分を投影している部分が大きいので、女性から女性の敵のように非難されて胸が痛くなりました。

私はこのヒロインを、孤独な人生の中、自分の生きられる場所(=生きていていい場所)を求めてもがき続けている人物として描いているつもりなので、そこまで嫌悪感を感じさせてしまうのは本意ではありません。

これに対し、例えば、彼女がものすごく真面目であると感じさせるような要素を付け加えれば印象が変わる… という意見があり、とても参考になりました。

私もヒロインを生真面目な人物と考えているのですが、他者に具体的に納得させる要素が乏しいのだと気づかされました。

三つ目は、最終的にどういう物語として提示したいのか? という問いかけです。

それはラストシーンをどう描くかによって大きく異なってきます。

これは最も難しい問題で、執筆中最も悩んだことでもありました。そしてディスカッションでは、多くの有意義な意見をいただきました。

かなり長くなりそうなので、こまた後編に続く… とさせていただきます。

小さなことでも今できることをやって、上演への歩みを一歩でも進めたい―-

そんな思いからこの会を開くことを決めましたが、当日までずっと不安もありました。

喧々諤々、たくさんの感想や意見を聞くことができました。嬉しい感想、励みになる意見だけでなく、胸が苦しくなるような厳しい指摘もありましたが、それこそが目的だったわけですから、ほんとうにやってよかったと思っています。

ご参加くださった方々、気にしてくださった方々、励ましのメッセージを寄せてくださった皆さんに、心より深く感謝申し上げます。

                               いしざわみな


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